ナツメグの映画ドラマ鑑賞日記

映画・海外ドラマを中心に書きます。

大人のロードムービー「星の旅人たち」これはアタリだ!

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2010年のアメリカ=スペイン合作の映画。監督はエミリオ・エステベス

huluにて鑑賞。

この映画、期待はしていなかったがアタリだった。映画全編に感じられるほどよく抜けた空気感がいい。

 

巡礼の旅の途中亡くなった息子の代わりに、中年の主人公がサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅に出る物語。その距離が何とも気の遠くなるような長さ800キロ。その旅をもう60過ぎの主人公が旅するのである。ピレネー山脈とかあるし。お気軽ハイキングコースではなさそうだ。

そして旅の途中でまた、人生いろいろ問題ありそうな面々3人と出会い同行することになる。結構、巡礼の旅に出ている人は多くスタンプリレー的システムもあり少し身近に感じる。

 

 風景も美しいが、見所は旅の道中で感じられるそれぞれ大人の事情を抱えた人物たちの心理描写だ。青春ロードームービーにありがちな、道中仲良くなって恋が発生したり、旅が終わっても仲良くしような!的なノリはなく、それぞれの大人は一定の距離を保ちつつ自分の人生と向き合いながら旅をする。そんな大人だって時にはバランスを崩し酒に身を任せ荒れてしまいダメダメな自分をさらけ出してしまうことも・・・。そんなところに中年どもは共感できるのである。

 そしてとうとう出会った4人とともに聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへたどり着く。その先には・・・。

 

「自分探しの旅」なんて言うと煙たがられそうだが、この映画のような旅だったら苦労してでも出てみたい気がしてくる。インスタントな1週間の海外旅行の自分探しでは到底探すことのできない何かがサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅ではありそうなのだ。行かないけど・・・。