「魚と寝た女」韓国映画 2000年公開
休日に何の知識もなく、何となくhuluで「魚と寝る女」鑑賞。
舞台は韓国の釣り堀(と言っても沼、湖みたいなところに小屋つきいかだみたいなものがいくつか浮かんでいるようなところ、日本で聞いたことない)で、そこで全ての面がたりが回っています。
主人公の女性はそこで管理人もしつつ、情婦みたいなこともやっている。
そこに人を殺してしまったある若い男が潜伏のつもりか、しばらくその釣り堀に滞在するのだが、そこで女管理人と起こる感情のもつれみたいなものがストーリーの軸。
釣り堀の中のいかだの上には小屋が建っているので食料買い込めば滞在しようと思えばできるんですね。なんだか面白いスタイルです。
韓国映画に時々見られる、エグいシーン(痛いシーン)がなかなか強烈で、劇場公開中、リバースしてしまった方もいるとのこと。
調べたら監督がキムギドクさんだったのね。2000年の作品だから
初期の作品ですね。そしてR18指定です。
こういうの苦手な人は超いが必要ですよ。僕はそこまでとは思わなかったけど。
しかしながら映像とかカットとか役者の存在感から、設定の面白さまでなかなかのクオリティだなと感じました。背景音楽もあっていたし。こういうの坂本龍一さんがやったらどうなるんだろう?などと想像してしまった。
大人のロードムービー「星の旅人たち」これはアタリだ!
2010年のアメリカ=スペイン合作の映画。監督はエミリオ・エステベス。
huluにて鑑賞。
この映画、期待はしていなかったがアタリだった。映画全編に感じられるほどよく抜けた空気感がいい。
巡礼の旅の途中亡くなった息子の代わりに、中年の主人公がサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅に出る物語。その距離が何とも気の遠くなるような長さ800キロ。その旅をもう60過ぎの主人公が旅するのである。ピレネー山脈とかあるし。お気軽ハイキングコースではなさそうだ。
そして旅の途中でまた、人生いろいろ問題ありそうな面々3人と出会い同行することになる。結構、巡礼の旅に出ている人は多くスタンプリレー的システムもあり少し身近に感じる。
風景も美しいが、見所は旅の道中で感じられるそれぞれ大人の事情を抱えた人物たちの心理描写だ。青春ロードームービーにありがちな、道中仲良くなって恋が発生したり、旅が終わっても仲良くしような!的なノリはなく、それぞれの大人は一定の距離を保ちつつ自分の人生と向き合いながら旅をする。そんな大人だって時にはバランスを崩し酒に身を任せ荒れてしまいダメダメな自分をさらけ出してしまうことも・・・。そんなところに中年どもは共感できるのである。
そしてとうとう出会った4人とともに聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへたどり着く。その先には・・・。
「自分探しの旅」なんて言うと煙たがられそうだが、この映画のような旅だったら苦労してでも出てみたい気がしてくる。インスタントな1週間の海外旅行の自分探しでは到底探すことのできない何かがサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅ではありそうなのだ。行かないけど・・・。
「ミケランジェロの暗号」huluで鑑賞
いわゆるナチスものだけど、そこまで描写がハードではないやつです。
2011年日本で公開。
ヴォルフガング・ムルンベルガー監督。
第2次世界大戦に突入して、友人だった二人がナチス側とユダヤ人側に立場が分かれる。ナチス側になったルディは昇進願望の強い青年。
画廊の息子だったユダヤ人の主人公ヴィクトルは、ナチス側にとっては重要人物扱いにされる事情があった。題名にもあるミケランジェの絵がキーワードになってくるわけだが、暗号とあるので謎解き系と思いきやそうではなく、戦争に翻弄され揺れ動く立場の中での人間描写に重点が置かれている。
ナチス側の友人ってやつが、いけ好かないやつなんだけど妙にリアルなんだよな。
器が小さいけど承認欲求が人一倍強くて、全て自分の都合で行動するタイプ。
あーヤダヤダ。
二人の立場が入れ替わるところや、主人公がギリギリアウト(ネタバレになるので説明は省きますが)にならない緊張場面などとっても演出がうまいので最後まで退屈しない。
戦争が終わる瞬間って、それぞれの立場がガラガラポンで初期化されるところが痛快ですよね。初期化というか立場が完全に逆転しちゃう場合もあるわけだけど。
最後は二人は元の友情に戻ると思いきや(そんなことはないか・・)とってもスッキリするラスト。全体的にナチス題材なのに重くなりすぎないところは良かった。
評価は、まぁ普通。
78点。
成長する群像劇、ダウントンアビーははずせないでしょ!